小麦を控える事

小麦はパンやパスタ、ラーメンなど、私たちの日常的な食事に欠かせない食材ですが、実は小麦に含まれるタンパク質「グルテン」が、腸の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。グルテンは腸内で分解されるときに、腸壁にくっつく成分「グリアジン」を生成します。グリアジンは腸壁から「ゾヌリン」という物質を分泌させますが、このゾヌリンが腸の細胞同士の隙間を広げてしまうのです。このようにして腸壁に微細な穴が開いてしまう現象を「腸もれ」または「リーキーガット症候群」と呼びます 。

 

腸もれが起こると、本来は腸内で処理されるべき老廃物や有害物質、未消化の食べ物などが血液や臓器に漏れ出してしまいます。これにより、全身に炎症やアレルギー反応が起こりやすくなります。腸もれは便秘や下痢、肌荒れ、偏頭痛、生理痛などの不調の原因となるだけでなく、長期的には認知症や自己免疫疾患などの重大な病気のリスクも高めると考えられています  。

 

腸もれを防ぐためには、グルテンを含む小麦製品を控えることが有効です。小麦以外にもグルテンを含む食品は多くありますが、特に日本人にとっては小麦が最も多く摂取されている食品であると言えます。小麦を避けることで、腸壁の隙間が閉じて修復される可能性があります。小麦を断つことで「グルテンフリー」と呼ばれる食事法になりますが、これは健康だけでなくダイエット効果も期待できると言われています。小麦を断つことは難しく感じるかもしれませんが、日本食や東南アジア料理などグルテンフリーのメニューは意外と豊富です。また、米粉やそば粉などの代替品もありますので、工夫次第でグルテンフリー生活を楽しむことができます。

 

- 腸粘膜を損傷するものを避ける

痛み止めや抗生物質などの薬、小麦や乳製品などのグルテンカゼインを含む食品、人工甘味料や添加物などの化学物質を含む食品は、腸粘膜にダメージを与えてリーキーガットを引き起こす可能性があります。できるだけ自然な食材を選び、加工されていない食事を摂るようにしましょう。


- 腸内環境を整えるものを摂る

腸内環境を整えることは、リーキーガットの予防や改善に効果的です。腸内環境を整えるためには、善玉菌や食物繊維を多く含む食品を摂ることが重要です。善玉菌はヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品に多く含まれています。食物繊維は野菜や果物、海藻やきのこなどに多く含まれています。また、質の高い油や脂肪も腸内環境に良い影響を与えます。オリーブオイルや亜麻仁油、アボカドやナッツなどの植物性油や脂肪を適度に摂りましょう。


- ストレスを減らす

ストレスは腸内環境に悪影響を及ぼし、リーキーガットを誘発する可能性があります。ストレスは脳と腸との間でメッセージが伝わり、腸内細菌のバランスを崩したり、腸の動きを乱したりします。ストレスを減らすためには、適度な運動や睡眠、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法が有効です。また、ストレス発散方法を見つけて定期的に行うことも大切です。